研究課題
本課題は、札幌学院大学の「SORDデータアーカイブ」を拠点として、社会学史上大きな意義を有している二つの調査水脈-布施「夕張調査」および似田貝グループ諸調査-の整理・管理・公開を軸にして、「社会調査史の博物館」構築を目指すプロジェクトである。SORDデータアーカイブでは数年かけて、合計して段ボール120箱程度になるオリジナル・データセットと関連資料を受け入れた。本研究期間の前半2年をかけて、ようやく基礎的な収蔵資料リストを作成し、段ボールを開梱して配架する作業に目処がついた。4年目となる今年度は、「夕張調査」に関する徹底的な資料復元作業に重点的に取り組んだ。調査票個票を安全に保存するための電子化(PDF化)に加えて、調査票に記入されているテキストをデータベース化する作業を進行させた。このような資料復元作業の成果を、本年度末に『「夕張調査」資料集成-布施鉄治編『地域産業変動と階級・階層』(1982)調査関係資料コレクション-』として報告書にまとめた。内部組織としては、大学院生3名からなるチームに上記のような電子化及びデータベース化の作業を中心的に担ってもらった。これは結果として、研究課題の進展のみならず大学院生の育成という観点からも大きな成果を挙げた。また、北海道を対象とする社会調査のリストを作成し、戦後から1970年代までの社会調査の水脈をたどる研究を行った。取り上げた社会調査を調査単位で整理しデータベース化すると共に、いくつかの水脈について検討を行った。この成果は、本年度末に、『北海道における社会調査の水脈-戦後復興期から1970年代まで-』として報告書にまとめた。
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社会情報(札幌学院大学総合研究所) 19(2)
ページ: 119-165
http://su10.sgu.ac.jp/sord/