研究課題/領域番号 |
18330115
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
西川 長夫 立命館大学, 先端総合学術研究科, 教授 (00066622)
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研究分担者 |
米山 裕 立命館大学, 文学部, 教授 (10240384)
今西 一 小樽商科大学, 商学部, 教授 (20133621)
麓 慎一 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (30261259)
石原 俊 千葉大学, 社会文化科学研究科, 助手 (00419251)
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キーワード | グローバル化 / <新>植民地主義 / 国内植民地 / 帝国 / 国民国家 / 法 / 移民 / ナショナリズム |
研究概要 |
グローバル化が進行し、政治的経済的二極化がより鮮明な姿を現わしつつある中で観察される新しい植民地主義とそれに伴うナショナリズムの実態をとらえ、それの理論的解明を図る試みは本年度も継続され深めされたと思う。とりわけ東アジアの現状に注目し、こうした試みを東アジアの研究者たちと共に行い共に考えることができたのは本年度の大きな成果であった。 月1、2回のペースで行われる小規模の研究会やミーティングの他に、私たちの研究会が中心となって行なわれた大きな企画としては8月3日、4日と二日間にわたって小樽商科大学札幌サテライトで行なわれた「北海道と国内植民地シンポジウム」(小樽商大東アジア研究会と共催)、10月19日から21日の三日間にわたって立命館大学で行われた国際シンポジウム「グローバル化時代の植民地主義とナショナリズム」(立命館大学国際言語文化研究所および漢陽大学比較歴史文化研究所との共催)があった。 数日にわたる現地調査を伴った北海道のシンポジウムでは、植民地や内国植民地という言葉を最初に生みだした北海道に身を置くことによって、日本の国民国家形成の独自性や東アジアの近代との関係を改めて認識することができたと思う。また北海道の研究者との交流も貴重な経験であった。立命館大学で行なわれたシンポジウムは漢陽大学のイム・ジヒョン、ユン・サンイン教授他、韓国から10人ほどの参加者があり、他に台湾大学の周娩窈教授、中国社会科学院の孫歌教授の参加を得て、三日間にわたり、グローバル化に伴う新しい植民地主義や新しいナショナリズムの形態、国際結婚(とりわけベトナム花嫁)や引揚者と引揚げ体験の記述とそれに対する旧植民地出身の人々の反応をめぐって、社交辞令でなくお互いに胸の内を開き本音を出しあった議論ができたと思う。なおこのシンポジウムも前年の5回にわたる連続講座「グローバリゼーションと植民地主義」にひき続き『立命館言語文化研究』に掲載した後、単行本として出版される予定であり、いまその編集作業が進んでいる。
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