研究課題/領域番号 |
18330122
|
研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
岡部 卓 首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (40274998)
|
研究分担者 |
六波羅 詩朗 国際医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (50191705)
長友 祐三 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50438107)
新保 美香 明治学院大学, 社会学部, 准教授 (20298053)
金子 充 立正大学, 社会福祉学部, 准教授 (30366950)
根本 久仁子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 准教授 (10410507)
|
キーワード | 生活保護 / 自立 / 自立支援 / 自立支援プログラム / ワークフェア / 就労自立 / 日常生活自立 / 社会生活自立 |
研究概要 |
生活保護における自立支援の在り方について、2005年度より自立支援プログラムが導入され、国・自治体等にてさまざまな施策が展開されるようになってきている。そこで、本研究においては、生活保護における自立ならびに自立支援に関する方策(政策・ソーシャルワーク実践)についての理論的・歴史的検討を行なうとともに、自立支援を行なっている先駆的自治体を対象に調査を行い、それを素材に自立支援の検討を行なった。 具体的には、次の2つの事項に取り組んだ。 第1には、研究者(研究者、分担研究者、ゲスト研究者)で細織する自立支援研究会を定期的に開催し研究報告ならびに意見交換を行なった。また、夏季合宿を研究代表者、分担研究者が集まり行い、そこでも研究報告ならびに意見交換を行なった。 第2には、自立支援に取り組んでいる先駆的自治体である京都府山城北福祉室を対象として、利用者インタビュー調査、支援者インタビュー調査、福祉事務所の組織的取組みに関する資料検討をそれぞれ実施し、自立支援の取組みに成果を明らかにした。 これらのことを通して、以下のことが明らかとなった。 第1については、生活保護における自立がどのようにとらえられてきたのかについて生活保護法における行政解釈や国の委員会報告等での見解を通し、自立の観念が経済的自立を超えた幅広く解釈されるようになったこと、ソーシャルワークの観点から、指導・指示に基づく対人援助と相談・助言に基づく対人援助の違いを提示し、また、自立支援が生活保護におけるこれまでの対人援助活動にどのように位置づけられてきたのかが明らかとなった。 第2については、自立支援プログラムが生活保護行政およびソーシャルワーク実践にもたらした意義と課題をそれぞれ明らかとなった。とりわけ、支援者の自立に向けた支援内容・方法、さらには利用者への情報提供等の組織的活動が、利用者の満足・自立に向けた意欲・成果をもたらされていることが、調査を通して確認された。 第1、第2それぞれについては、学会報告や書籍等について提示しているとともに、第1については、研究会の議論の成果を、書籍を出版する予定となっている(『生活保護制度の展開と自立支援』ミネルヴァ書房、近刊)。第2については、京都府山城北福祉室と研究代表者・研究分担者の連名で調査報告書を発刊している(2009.3)
|