今年度は研究最終年である。これまで研究したことを整理する中で補完が必要なことについて追加で研究を行った。具体的には、夜間対応型訪問介護事業初回ヒアリング調査(2006年11月〜2007年3月末日に訪問)を行った7事業所中、4事業所について、訪問ヒアリングを2回重ね、さらに事業担当者に来校してもらい詳細を把握した。また、デンマークの24時間ホームケア調査のために2007年2月20日〜2月26日に現地研究を行ったが、2009年1月4日〜1月11日に再度訪問し、前回、把握できなかった、ホームヘルプサービスの時間量の見積もりについて資料を得た。 研究結果の概要:夜間対応型訪問介護が創設されて2年経過したが、利用者が少なく経営が厳しい。事業所数も100箇所あまりで大都市圏人口地域に偏在し、夜間帯サービスの空白圏がある。どのような人にどのようなケアプランを作成すれば24時間ホームケアを支えられるか、サービスの利用効果やサービス利用方法が周知される必要がある。夜間対応型単独使用で24時間ケアが成り立つわけではなく、定期訪問介護に加えて夜間対応型訪問介護のコールと随時訪問が届くためには、ケアマネージャーが鍵となる。さらには医療ニーズへの対応も不可欠である。現在、夜間ケアを必要とする人の多くは病院や施設にいる。ケアマネージャーと医療機関間で、前方連携・後方連携がなされれば、地域で暮らし続ける支援となるであろうことが示唆された。 また、高齢者退院実態調査の報告書を整理し、研究総括をまとめ、研究成果報告書を発刊した。
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