訪問介護の質を評価する信頼性と妥当性が検討された満足度尺度の開発を目的に、サービス提供責任者が行う調整など事業所の対応の良し悪しによって影響される質の次元を測るモデルをつくり、平成19年8月に調査を行った。訪問介護を利用する高齢者1831人を対象に調査を行い1347件の回答(回収率70%)から欠損値のない本人回答650件を分析データとした。構成概念を5因子(事情聴取と仕事の説明、ヘルパーの仕事範囲、必要とのズレ、サービスの継続性、サービスのばらつき)で表わすモデルにもとづき探索的因子分析を行ったところ、仮説どおりの因子が抽出された。モデルの評価のために確認的因子分析を行ったところ、適合度指標はCFI=0.965、TLI=0.983、RMSEA=0.079となり、構成概念の妥当性が確認できた。信頼性はCronbachのαが0.88で十分なことが確かめられた。他の地域において尺度案を適用し交差妥当性を確かめることが次の課題である。
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