研究課題/領域番号 |
18330133
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
唐沢 かおり 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (50249348)
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研究分担者 |
戸田山 和久 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90217513)
竹村 和久 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10212028)
藤井 聡 京都大学, 工学研究科, 教授 (80252469)
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キーワード | 原因・責任帰属 / 高齢者就労 / 高齢者支援 / 社会公正 / 正当世界信念 / 共有的認知 |
研究概要 |
1.格差認知バイアスと解消に関する態度研究 就労機会格差に焦点を当て、個人の持つ中高齢者イメージや保守・革新といった政治的態度、就労機会に関する格差認知と失業原因・責任認知が、失業者支援策に対する態度に与える影響について、首都圏在住の一般市民を対象にした調査研究を実施した。結果はおおむね、これまでの支援意図の規定要因に関する帰属研究と合致するものであった。すなわち、ネガティブな認知表象や保守的な政治的態度を持つほど、社会的原因よりも個人的原因に帰属した。ただし、政治的態度の効果は弱いものであった。また、個人的原因への帰属は怒りを増加させる一方、社会的原因は、同情と失業支援政策への賛意を増加させることも明らかになった。 2.社会的判断の基礎的過程研究 格差認知などの社会的判断バイアスを統制する要因について、動機や社会規範認知に焦点を当てた実験や調査を実施した。実験では自己制御過程や内的動機付けに対して報酬の効果を検討し、これらの変数が判断バイアスをもたらすメカニズムを検証した。また調査では、意思決定や政策への判断に対して影響をもたらすと思われる個人差要因を検討する研究を実施し、後悔・追及者尺度、大衆性尺度を構成し、その信頼性や妥当性を検討した。 3.ミクロ-マクロ問題に焦点を当てた格差解消可能性の検討 個人の信念や態度などの心的過程と、それに基づく集団レベルでの現象との関係について、収集したデータに基づき、理論的考察を行い、その上で、協働の取り組みを実社会に反映させる可能性や社会心理学的知見が貢献しうるための必要条件について議論を行った。
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