研究課題/領域番号 |
18330137
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
子安 増生 京都大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70115658)
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研究分担者 |
別府 哲 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (20209208)
木下 孝司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (10221920)
郷式 徹 静岡大学, 教育学部, 准教授 (40332689)
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キーワード | 「心の理輪」 / 実行機能 / 認知発達 / 幼児 / 自閉症 / 葛藤抑制 / 遅延抑制 / DCCS |
研究概要 |
◇幼児対象の実験研究1(子安増生):Charlie Lewis教授との二つ目の日英比較共同実験を開始した。幼稚園および保育所の3〜4歳児、4〜5歳児計60人ほどを対象に、誤った信念課題における「理由づけ」と「語りなおし」の成績と実行機能(葛藤抑制機能について「赤/青課題」と「空間葛藤課題」、ワーキングメモリについて「単語逆唱」と「ブロック再生」)の関連を調べる実験が進行中である。 ◇幼児対象の実験研究2(郷式 徹):5〜6歳児に瞬間的な個数の把握の課題を無関連言語音およびノイズ条件(統制条件)下で実施したところ、無関連言語音妨害効果が見られた。他に成人用数ストループ課題の作成を行ったが、実行機能(特に抑制)と言語刺激の関連が示唆された。 ◇幼児対象の事例研究(木下孝司):伝達相手を限定してある情報を伝えないようにみえるような振る舞いを「秘密」行為と定義し、保育所での観察によって「秘密を漏らさないよう行動抑制する実行機能」の発生過程について分析し、それが3歳頃までに、他者との親密な関係を形成するために出現することを明らかにした。 ◇自閉症児の事例研究(別府 哲):心の理論と実行機能の関連を考える場合、一次の誤信念課題を自閉症児は知的年齢が9歳すぎに通過できるようになるという事実を検討することが重要となるという視点から、高機能自閉症児における9・10歳における発達的変化の知見を検討し、そこにおける言語による命題的理解の重要性が示唆された。
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