研究課題
本研究は、双生児法による行動遺伝学的手法を用いて、心的活動の基礎過程としての認知能力とパーソナリティの個人差に及ぼす遺伝と環境の相互作用モデルを洗練化すると共に、この基礎過程のモデルを土台として、高次の文化的・杜会的な心理的・行動的形質の遺伝的・環境的モデルを明らかにし、行動遺伝学と社会心理学、進化心理学、発達心理学などの隣接領域への行動遺伝学の適用可能性を広めることが目的である。本年度の成果は次の4点である。(1)既存データのクリーニングとデータベース化紙媒体データの電子ファイル化と電子データのチェック、データベース専用サーバーの設定を行う。これはわが国最大の双生児行動データベース(1400組の10年間の様々な行動データ)の今後の利用を可能にするものとして重要である。(2)双生児協力者へのフィードバックニュースレター2号の発行とwebによる活動状況の報告をおこなう。これは協力者の今後の研究協力の継続にとって重要である。(3)web調査のフレームワーク作成昨年度に引き続き、web調査のシステムを確立する作業と倫理委員会への申請を行う(4)他領域との架橋社会心理学会、発達心理学会でのシンポジウムの実施し、行動遺伝学のわが国における展開を図るとともに、進化と教育とを結びつけた新しい教育理論の提言を行い、多数の参加者を得た。以上の成果と関連して、2008年9月に慶應義塾大学先導研究センターの中に「ふたご行動発達研究センター」が設立され、このことにより大学の研究機関として公的な位置づけがなされた
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