研究課題
本研究は、欧米でさかんになっている認知行動療法をわが国において開発し、臨床心理士への普及をめざした活動をおこなうことを目的とする。多くの精神疾患の中でも、これまでわが国で取り組まれることが少なかった統合失調症や精神病への認知行動療法に焦点を当てる。平成18年度は、以下の研究・活動をおこなった。1.統合失調症への認知行動療法の効果を調べるため、欧米の効果研究を広く収拾し、どの方法が最も効果的かを調査した。2.海外で実際におこなわれている認知行動療法を検討するために、分担研究者および研究協力者は、ヨーロッパ認知行動療法学会、アジア認知行動療法会議等に出席し、これらの学会に併設されたワークショップに参加し、ワークショップのノウハウを獲得した。また、欧米の施設を視察し、現場での認知行動療法の実施について情報を得た。3.ロンドン大学精神医学研究所教授のクラークとエーラーズを招聘し、日本認知療法学会においてワークショップを開催した。4.臨床ワークショップの普及のため、第6回日本認知療法学会を研究代表者の所属する東京大学駒場キャンパスで開催し、1000名を越える参加者を得て、11本のワークショップを実施した。5.認知行動療法やそれを支える「実証にもとづく臨床心理学」を定着させるために、東京大学出版会より『叢書・実証にもとづく臨床心理学』のシリーズを刊行し、本年度は『不安障害の臨床心理学』を刊行した。6.本格的に認知行動療法のワークショップを開ける臨床家を育てるために、東京認知行動療法アカデミーを設立し、本年度は4回のワークショップをおこなった。今後は、現場で認知行動療法をおこなう臨床心理士に対して、スーパービジョンをおこなうシステムを考える予定である。
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認知心理学研究 4
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