研究概要 |
これまでの成果の発表と継続的な研究の遂行について、3つの視点から具体的に研究を進めてきた.(研究1):FTTについて,昨年度は連携研究者である筑波大学小川俊樹教授らと共に,関東地区及び九州地区での本格実施の遂行を行った.本年度は本研究の目的3)と併せた形で,広汎性発達障害を抱える児童に対して試行をし,併せてその検査の有用性についてまとめた.そしてそれらの成果を,XIXInternational Congress of Rorschach and Projective Methods.におけるシンポジウム「International Researches on FTT」(2008年7月21日〜26日)(於:ベルギー,ルーベン,ルーヴェンカトリック大学)にて,発表を行った.このシンポジウムは,FTT創案者のDr. Carina Coulacoglou及び小川俊樹教授が企画したものである.ドイツおよびトルコからもシンポジストの発表があり,各国の研究成果を報告し,文化による相違などにも言及しながら,FTTの効用について検討をおこなった。(研究2):昨年度に引き続き,青年の対人関係として家族関係及び友人関係の理解を進め,同時に摂食障害,解離,自傷などの問題を抱える青年の心理アセスメント,心理療法についての詳細な検討を行った.代表者高橋靖恵が編者となって「家族ライフサイクルと心理臨床」を出版した.さらに,これまでのロールシャッハ法における共同研究の成果を公刊企画が立案され,次年度発行に向けて研究のまとめ及び執筆を行っている.(研究3):広汎性発達障害等の問題を抱えた青年の心理アセスメントについて,昨年度実施した成果とさらに新たな知見も加えて,上記にあげた国際学会において成果発表を行い,心理臨床学研究にも研究論文として掲載された.
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