研究課題/領域番号 |
18330147
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 靖恵 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (90235763)
|
研究分担者 |
神尾 陽子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 部長 (00252445)
吉岡 和子 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (30448815)
|
キーワード | 臨床心理学 / 心理アセスメント / 児童期・青年期 / 対人関係障害 / 心理的援助 |
研究概要 |
1)(研究1)「Fairy Tale Test (FTT)についての日本語版の検討」:筑波大学の小川俊樹教授との協議により、これまでの日本で実施されたデータおよび日本語のマニュアル版を出版する準備に取りかかることとなった。2)(研究2)青年期の診断困難事例に対する対人的コミュニケーションの理解とロールシャッハ法における思考・言語カテゴリー研究の発展:長期間継続してきた共同研究の集大成として「実践ロールシャッハ法(森田美弥子・高橋靖恵・高橋昇・杉村和美・中原睦美)」を出版した。そして、スイス・ベルンのThe Hermann Rorschach Archives and Museumの視察を行い、ロールシャッハ法の成り立ち、臨床的有用性について再確認し、本法の臨床的活用における今後の発展へ向けて資料収集を行った。3)(研究3)広汎性発達障害を抱えた青年たちへの心理アセスメント:児童期に問題の発現がなく、成人になって複合的な問題を呈した事例を通して、早期発見、適切な心理支援の方向性を検討し、日本ロールシャッハ学会において成果発表を行った。一連の研究のまとめとして、複数の心理検査によるテストバッテリーの組み方、その施行順も含めて、「多次元的アセスメント」の有効性を論じ、実践活動への広がりを検討することができた。研究2及び研究4)青年期の対人関係における内的感情及び問題行動の理解と心理的援助:これまでの研究をふまえて、「青年期問題と家族ストレス」として、日本家族心理学会編集による「家族のストレス」にその成果を執筆した。そして、今後の研究の発展に大きく寄与する視察として、「心理療法と投映法の総合的活用」の研究のために、英国、タビストッククリニック、ロンドン大学キングスカレッジ精神医学研究所・ベスレム王立病院を訪問し、英国における精神分析学的心理療法および、認知行動療法の進め方について見聞を広め、そこでの心理アセスメントの活用について1も示唆を得た。
|