研究課題/領域番号 |
18330150
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
余語 真夫 同志社大学, 文学部, 教授 (90247792)
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研究分担者 |
佐藤 豪 同志社大学, 文学部, 教授 (90150557)
鈴木 直人 同志社大学, 文学部, 教授 (30094428)
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キーワード | 感情 / 感情制御 / 認知 / 花 / いけばな / 筆記 / 抑制 |
研究概要 |
1.ネガティブ情動体験の処理様式と心拍変動性(HRV)の関係についての実験的検討:英国Poole病院 DORSET研究・開発支援ユニット(英国保健省)のRoger Baker教授らとの共同で開発を進めている「Emotional Processing Scale」日本語版により感情処理様式の個人差を測定し、スピーチ課題による急性ストレス事態における心拍変動性との関係を検討した。「抑制」尺度のスコアと心拍変動性の平常スコアへの回復遅延の関係が認められた。2.ネガティブ情動体験の言語化の効果に関する研究:ネガティブ情動体験の集中的な筆記の心理生理学的効用を検討するために、筆記の前後およびフォローアップ過程に採取した唾液中コルチゾールの解析を開始した。解析結果は次年度以降に心理学関係学会で報告する予定である。3.ネガティブ情動体験に向き合い、受容する方法の開発:ネガティブ感情に適応的な方法で向き合い、心理学的処理を促進することが健康維持のために有効であるという一連の研究の知見にもとづき、花を刺激手がかりとして自己の感情の認識と表現をうながす介入法の開発研究に華道家とともに取り組んだ。関連する実験の一つでは生花と造花の感情喚起力を比較し、前者がポジティブな情動反応を喚起することを明らかにした。生花を用いたいけばなが、感情を活性するとともに前頭葉機能を活性する要素を含んでおり、認知症高齢者を対象にした臨床的試験研究に着手した。
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