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2006 年度 実績報告書

能動的動作と視覚的注意の相互作用に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18330155
研究機関大阪大学

研究代表者

三浦 利章  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00116104)

研究分担者 篠原 一光  大阪大学, 人間科学研究科, 助教授 (60260642)
木村 貴彦  大阪大学, 人間科学研究科, 助手 (80379221)
キーワード実験系心理学 / 認知科学 / 行為 / 注意
研究概要

注意の広さと処理効率のトレードオフに把持動作の実行が及ぼす影響を検討した.実空間で実験を行い,課題は6つの立方体の中から1つの立方体を把持すること(把持動作課題)あるいは検出後素早く指をその場で持ち上げること(統制課題)であった.手がかりとして,ターゲットの提示前に2個,4個あるいは全ての立方体が点灯した.この手がかりによって,注意を向ける領域の広さ(注意対象の数)を操作した.把持動作の運動方向は「遠→近」と「近→遠」の2方向であった.結果は,統制課題に比べて把持動作課題の方が,注意対象の増加に伴うコストが大きかった.このことから,より能動的に対象を選択する事態において,視覚情報処理における注意の効果が大きいことが示唆された.また,把持動作の運動方向はトレードオフの現れ方に影響しなかった.注意のシフトが完了した後には,把持動作の運動方向が注意の空間特性に及ぼす影響は小さいことが考えられた.
また,上記の研究と関連させた研究として,行為が知覚・認知に及ぼす影響を検討するためにRepresentational Momentum(RM)という現象を利用して検討を行った.これは,物体が連続して運動している際に突然消滅した場合に観察者に物体の消滅位置を示させた場合,知覚された消滅位置が運動方向にずれる現象である.そこで,新たに実験装置を作成した.具体的には,液晶シャッター眼鏡を用いてこれまでモニタなど二次元平面上で検討されることがほとんどであったRMを現実空間内において検討した.この時,観察者が移動物体に対して能動的な行為を行う場合と,行為を行わない場合を比較した.結果,観察者が移動物体に対して能動的な行為を行う場合にRMは小さくなることが示され,より正確な移動予測が可能となることが示された.来年度もこの観察者の能動的な行為が知覚・認知過程に及ぼす影響について引き続き検討を進めていく.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 注意の広さと処理効率の関係に把持動作が及ぼす影響2007

    • 著者名/発表者名
      内藤宏, 木村貴彦, 三浦利章
    • 雑誌名

      Technical Report on Attention and Cognition 8

      ページ: 1-2

  • [雑誌論文] リーチング動作が視覚的注意の空間特性に及ぼす影響2006

    • 著者名/発表者名
      内藤宏, 三浦利章, 木村貴彦
    • 雑誌名

      関西心理学会第118回大会発表論文集

      ページ: 26

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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