研究課題
6月9日に日本女子大学家政学部において、研究会を開催し、前年度中に蒐集した識字史料の分析と検討とを行った。また、これまでに蒐集した史料との異同等について意見交換を進めるとともに、本年度中の活動について、(1)史料調査、(2)研究会、(3)論文の三つの面から具体的な計画を策定した。(1)については、11月22日に天理大学付属天理図書館を訪問し、同図書館所蔵の識字関連史料であるキリシタン関係文書の検討のための基礎的な調査を行った。同図書館所蔵のキリシタン関係文書は膨大なものであるが、いずれも貴重史料であることから事前の基礎調査が不可欠であり、今回の調査から今後の具体的な段取りについての見通しを得ることができたものといえる。(2)については、11月23日および24日には、奈良教育大学教育学部において、研究会を開催した。研究分担者の梅村佳代が、「近世農民の自署花押・略押と識字-明王院・菅浦を中心として-」と題して明王院文書を分析対象にした中世末期民衆の識字状況についての研究報告を行い、活発な意見交換を行った。この他に、共同研究の具体的な研究成果としての含みを持つ、個々のメンバーの研究課題について意見交換を行った。(3)については、平成18年11月にアメリカ合衆国インディアナ大学において開催された歴史的視点からの識字教育に関する国際シンポジウムにて、7名のメンバーが研究報告を行ったが、同大ルビンジャー教授を編者として報告集が刊行されることとなり、7名全員が英文の論考を寄稿した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 図書 (1件)
教育学論集 第3集
ページ: 37-66
歴史評論 第688号
ページ: 26-37
歴博 第141号
ページ: 12-16