研究課題
国際的な大学競争というと、オリンピックのように各国の頂点にたつ大学同士の競争が想定されがちである。実際、自国の「国際級大学」を支援する政策は国内外でみられるし、いわゆるグローバル化にともなってそうした政策を求める声も高まっている。しかしそれだけでなく、国際的な大学競争は、むしろ各国の中堅大学をまきこんで行われている。国際機関における国際的な質保証の議論や、質保証機関の国際的ネットワークなどが課題としているのは、各国のいわば普通の大学がいかなる質を維持しているかという問題である。こうした状況をふまえて、各国の「普通」の大学がいかなる質を維持しているか、それを支援する政策はどのようなものかを検討する。本年度は以下の活動を行った。(1)大学経営に関する国内外の先行研究の検討を継続した。(2)大学経営の事例として、英国ストラスクライド大学、グラスゴーカレドニアン大学、、米国テンプル大学、ミシガン大学アナーバ校、ヴィラノバ大学、ウエストワシントン大学、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校などを訪問調査した。また、参照事例として、英国の質保証機構スコットランド事務所を訪問調査した。(3)大学経営の最近の動向に詳しい外国の研究者として、米国ゲリー・ローズ教授、英国ウィリアム・ロック氏、同ロバート・コーエン名誉教授などによる講演会を開催した。(4)韓国における大学経営の動向のうち、とくに大学合併について、その専門家である長崎大学の井出弘人准教授から状況を聴取した。
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早稲田大学史記要 39
ページ: 103-128
大学教育学会誌 29巻2号
ページ: 46-52