研究課題
教育行政の規制緩和にともなって、個別の大学が自主性を発揮して経営にあたることが期待されている。規制緩和によって、教育に対する国家の統制がむしろ強まったとする説もあるが、その場合でも大学経営の重要性が低下することはない。世界的な課題のひとつは、各国のいわば普通の大学がいかなる質を維持しているかという問題である。こうした状況をふまえて、各国の「普通」の大学が教育と研究の水準を維持向上させるために、どのような活動を行っているかを検討した。1.本年度は、アメリカ、フィンランド、アイルランド、中国などの事例を調査した。アイルランドでは質保証の仕組みを調査した。中国では大学教育の評価を調査した。アメリカでは、機関研究と校友行政の状況と、大学アドミニストレーターの養成課程を調査した。2.大学に対する日本の経済団体の提言については、学生の創造性をもとめる1980年代に出現した要求を中心に分析した。3.先進諸国の大学は、資源が制約されたなかで、教育・研究の質を高めて量を拡大するという共通な課題に直面している。4.このような要請に対応する手段のひとつとして、いくつかの国では大学間連携がみられる。スコットランドにおけるリサーチ・プーリング、北欧のスウェーデン南部とデンマーク東部にみられる大学連合などがその例である。5.3カ年の研究成果を総合して、報告書のとりまとめを行っている。
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European Planning Studies 17
ページ: 487-495
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ページ: 1-33
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ページ: 146-160