研究概要 |
(1)学習コンテンツの追加作成及び学習履歴機能の追加 オープンな場面におけるフローチャート証明問題10題についてWeb上で利用可能なコンテンツとして作成した。各コンテンツではFlashの利用によって図から辺や角などをドラッグすると自動的に記号化されて入力できる等のユーザーフレンドリーなインターフェースが実現されている。また,データベースの利用によって学習者による解答の誤りの質に応じてフローチャート証明の修正が順序立てて促進される機能が実現されている。さらに,学習者がユーザーとして累積的に学習できるように,コンテンツ毎に個人の学習履歴を参照することが可能になっている。 (2)システム利用による学習指導の解説書の作成 オープンな場面におけるフローチャート証明のコンテンツからなるWebシステムが中学校の教育現場で活用されるために,CBPRの研究成果に基づいて大学と教育現場の間にネットワークを構築し,教師向けの解説書を協同で作成した。これには,フローチャート証明による指導案(9授業時間分),各時間のワークシート及び各授業におけるWebコンテンツの活用法が含まれている。特に,各指導案の作成にあたって従来の指導細案とは別に,写真や漫画等によって学習指導の進み方や展開をわかりやすくした「ビジュアル」版の指導案を作成した。 (3)中学校における学習指導解説書の有効性に関する調査の実施 平成21年度11月初旬から公立中学校4校第2学年(約500名)を被験者として,上記の学習指導解説書(開発途上版)に基づく一連の授業を実践し,統制群と実験群に対し質問紙調査を行った。調査問題にはフローチャート証明の構成に関する問題と,全国学力・学習状況調査の証明問題が含まれている。
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