研究概要 |
本研究は,中学生の勤労観・職業観を職場体験学習を通じて育成するための学習教材の開発とその教育効果の検証並びに学校教育における普及をその目的としたものである。初年度は文献調査を行うと共に国内での先進校での取り組み等を調査し,その目的や方法,内容等を分析し教材開発のための基礎資料の収集を行った。 2年目である本年度はこれまでの研究成果をもとに職場体験学習用WEB教材「しごとチャレンジャー」を制作した。この教材の特色は以下の3点にある。 1.チャレンジ精神や創造性,問題発見・解決能力,コミュニケーションとチームワーク力の育成をめざすアントレプレナーシップ教育の観点から中学生における勤労観・職業観の育成を図る教材であること。 2.職場体験を核にしつつ,働くことの意味や企業の社会的役割を考える事前学習,課題を設定して取り組む体験学習,体験の成果を今後の学習や進路選択につなぐ発展学習と,働く若者のインタビューが収録されたしごと図鑑等から構成されていて,働くことを自己の生き方と関連させて考える構成となっていること。 3.WEB上で利用することを基本としており、学習者のコンピュータリテラシーを育成すると共に、リンク集を中心としたしごと図書館の活用による情報収集等のリテラシーの育成が図れる教材であること。 教材は,一人ひとりが調べ学習やインタビュー等の活動を行うと共に小集団や学級で話し合いを行い,互いの意見を交流させることで自己の考えを深める構成とした。また,職業や企業の理解についても,総花的な取り上げ方ではなく,新しい生活のスタイルや社会のあり方を創り出していくという点に焦点を当てた。 本研究の最終年度となる平成20年度は、この教材を複数の学校で実践しその有効性を明らかにすると共に、改善点等の検討並びに今後の活用に向けた活動を行う計画である。
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