研究概要 |
平成20年度は,歴史的研究,調査研究,実験的研究の各分野でおこなった平成19年度の調査成果を基に,新アジア版音楽テスト(CD版)の改良をおこなった。さらに,アジア諸国(香港,台湾)の小学生を対象に同テストを実施し,日本の子ども達との比較検討をおこなった。この学力テストは,それぞれの研究分野の成果に依拠した「学力モデル像」をベースにしている。 歴史的研究では,平成19年度に引き続き音楽学力に関する資料収集を継続して実施する。特に,「基礎・基本」に関して,文部省指定校となった小学校を対象に教科書記述の変遷について資料分析をおこなった。 調査研究では,平成19年度に実施した『1950〜60年代の学力向上政策と音楽科教育一元教師へのインタビュー調査より一』の分析を継続するとともに,そこから引き出された個別の課題をもとに,学力モデル像を提案した。 実験的研究では,平成19年度におこなった「音楽適性テスト」(音楽授業以前の生得的な学力)問題の再検討をおこない,各項目の具体的な改良をおこなった。また,標準化に向けてアジア諸国での予備テストを繰り返し実施した。音源改良を含め,専門家との積極的な意見交換を通して調査問題項目の検討,調査の実施,調査結果の分析をおこなった。 尚,研究代表者である小川は,平成20年度におこなった調査結果の一部にっいてISME Research Seminar(国際音楽教育学会)で発表した。
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