研究分担者 |
植田 敦三 広島大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50168621)
馬場 卓也 広島大学, 大学院国際協力研究科, 助教授 (00335720)
山口 武志 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (60239895)
二宮 裕之 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (40335881)
銀島 文 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター, 学力調査官 (30293327)
|
研究概要 |
4年間にわたる本研究の目的は,主として次の3点にある。第1は,形式陶冶の側面ばかりでなく社会的参加能力の側面からリテラシー像を策定し,その像の下で,現在の学校算数・数学の実際を批判的に考察し,同時にリテラシー形成のためのその役割や可能性を考えることである。第2は,第1の点をふまえながら,算数・数学教育において育成できる固有なリテラシーと,数学的リテラシー形成の基盤となる基礎概念を設定し,そのリテラシーを育成する数学教育の原理と方法を導き出し,算数・数学科でリテラシーを育てるモデル単元,カリキュラムモデルを開発することである。無論その実践的検証は不可欠であり,理論と実践の相互照射の下で,「数学的リテラシー」の精緻化と教育実践の有効性を考察する。 研究の初年度にあたる平成18年度の研究成果をまとめれば,次の2点となる。 1.研究の理論的基盤を堅固にするため,「数学的リテラシー」の概念を明確にし,その規定や特徴を議論した。具体的には,OECD・PISA調査における数学的リテラシーの概念規定をはじめ,先行する研究や代表的な文献によって,数学的リテラシーの本質について考察した。 2.上記1,の作業と平行して,数学的リテラシーという視座から,学校における算数・数学を,目的・内容・方法・評価にわたって総合的に検討した。さらに数学的リテラシーの要素化をはかり,それぞれの要素に関連する数学的概念や操作について議論した。
|