研究課題/領域番号 |
18330194
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
上野 行一 高知大学, 教育学部, 教授 (40284426)
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研究分担者 |
岩崎 由起夫 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40304076)
岡崎 昭夫 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (80134253)
日野 陽子 香川大学, 教育学部, 助教授 (90269928)
奥村 高明 国立教育政策研究所, 教育課程センター, 教育課程調査官 (80413904)
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キーワード | 美術鑑賞 / 対話 / 意味生成 / mite! / mira! |
研究概要 |
本研究課題が18年度の科学研究費の交付期間内に明らかにしようとすること(究明課題)は以下の通りである。 1.鑑賞対象作品の選定と授業実践による有効性 2.対話による意味生成的な美術鑑賞学習の理論及び方法論の構築 3.小・中学校9年間を見通した美術鑑賞の発達課題の策定 4.学校と美術館の連携による授業実践と評価 1と3に対応して、17年度に研究代表者(上野)が作成したティチャーズキットmite!(淡交社)を用いた研究授業実践を、小・中学校において計25回実施した。また、2月には公開授業発表会を開催し、全国120名の参加者による討議が行われた。アビゲール・ハウゼン(Housen, A)による先行研究に見られるように、美的発達段階の移行は精神発達依存よりも、鑑賞経験の質と量が大きく影響していることがプロトコル分析より追認された。また、意味生成的な授業によって生徒の能動的な学習が推進されることや、有効性がデータから実証された。感性的あるいは美術史理解的な鑑賞教育に対して、PISA型読解力を能動的に身につけさせる意味生成的な美術鑑賞の必要性、有効性、現代性が確認されたといえよう。 2の課題を究明するため、鑑賞教育に関するシンポジウムを2回開催した。(18年6月東京、19年2月高知)。議事内容については小冊子にまとめた。また、mite!の先行事例であるmira!に関してスペイン現地調査した。文化・社会の違いはあるが、美術を鑑賞する行為およびその教育化に関する多くの示唆を得ることができた。 4に対応して、7月21日より8月20日にかけて岡山県立美術館において「mite!展」が開催された。同展における対話による美術鑑賞ツアーには、近隣の小・中・高校生が1057人参加した。 以上の成果に関しては3月25・26日に金沢大学にて開催された美術科教育学会において、3件の発表にまとめ、口頭発表を行った。
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