研究概要 |
本研究は,社会科系教科において必要な授業力を明らかにし,授業力向上のための現職教員研修プログラムを作成することを目指した。そのため,以下の(1)(2)の成果を踏まえて,(3)を行うことを最終目的とした。 (1)社会科系教科において必要とされる教師の授業力とその評価法を明らかにする。 (2)国内外における社会科系教科の現職教員研修の現状と課題を明らかにする。 (3)以上を踏まえ,社会科系教科における授業力向上のためのプログラムを作成する。 まず,社会科系教科において必要な授業力を明らかにすること,現地調査を行いアメリカ合衆国及び大韓民国における現職教員研修の現状等を明らかにすること,アンケート調査により我が国の現職教員研修の現状を分析することなどを行った。また,それらを踏まえて作成した研修プログラムの試案については,大学,教育センター,学校現場等で実験研修等を実施し,研修プログラムの有効性の確認等を行い,改善を重ねた。 その結果,研究成果の核となる「小学校現職教員用研修プログラム」(授業計画力・授業実践力の向上を主眼とした研修プログラムと授業評価力,授業改善・再構成力の向上を主眼とした研修プログラム),「中学校現職教員用研修プログラム」を作成した。さらに,「教育方法多様化プログラム」として,博物館の利用,地図の読解,教材・資料作り,デジタル化された資料の活用,NICE,野外研修「地形と気温の関係」,テスト問題づくり,教科書の活用の8つの研修プログラムを作成した。 作成した研修プログラム,さらには現職教員研修等における社会科授業力向上に有益と考えられる授業ビデオ・指導案等をまとめて,DVDを作成した。作成したDVDは,社会科系講座がある国立大学教育系学部等,都道府県・政令都市の教育センター等に配布して,それぞれが実施する研修講座,教員免許更新講習等での有効活用を依頼した。
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