研究課題
1.日本と比較対象とした海外の国々とでは国語教科書の位置づけが大きく異なっている。日本では教科書は「主たる教材」であり、使用義務があるが、海外では、主たる教材と補助教材の区別がなく、多種多様の教材が、教科書として扱われており、使用義務はないが、教科書として活用されている。2.海外では、検定制度がないか、大まかな検定のため、教科書の内容面でも、情報量・ページ数の面でも自由度が高い。これは定価の制限がないこととも関連している。いわば、自由発行、自由採択である。3.日本の国語の教科書は、戦前の総合教科書(修身、歴史、地理、理科などを含む。)から戦後の「言語・文学教科書」へと変遷した。これによって、内容が限定され、幅が狭くなった感がある。海外では、カリキュラムの中心にある教科であることが明確に意識されていて、他教科との関連も考慮しながら、他教科と同時に編集されている例が多い。言語の素材は、他教科との関連で使用されることが多いので、学ぶべき点である。4.海外では、ランゲージアーツ(言語学習)とリーディング(読本)との2本立てで国語学習が行われることが多い。日本以外の先進国では、すべて2本立てとなっており、国語学習を言語学習(話し方、聞き方、書き方、読み方)と文学学習(読書)との2層で行う。従って、文学学習(読書)の量が、日本と比べるとはるかに多い。5.日本の小学校の入門期の教科書には、動物をして語らしめる童話や民話が多い。海外では、人間を登揚させ、人間関係の処理の仕方や、コミュニケーションの仕方、敬語、礼儀作法などを自然に学べる書きおろしの作品が多い。
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初等教育研究会『教育研究』 No.1272
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岐阜国語教育研究 第6号
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臨床教科教育学会誌 第5巻1号
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国語科教育 第61集
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