研究概要 |
Tom&Jerryのアニメを見た後に「どんなアニメを見たの?」という質問で始まる会話5分をビデオ記録し文字転写。母親初頭質問(どんなアニメみたか教えて)への応答を、アニメの内容を含む「アニメ関連応答」(ストーリーの一部、タイトル、感想、アニメのジャンルなど)内容を含まない「渋り」応答(え?、どういうこと?えーっと、わからない等)に2分類。さらに「アニメ関連応答」が、母親初頭質問への応答後直ちに「再質問」(アニメの内容の文脈情報<誰が?それでつかまちゃったの?>を得ようとするもの)なしに、最初の「アニメ関連応答」を含めて3ターン以上連続する(母親の相槌、子どものことばの反復、それで等応答を促す発話等が子どもの応答間に挿入される)か、単一のアニメ関連応答「一答」かを分類。後者の場合は最終的に3ターン連続「アニメ関連応答」(同)に至ったか否か、至った場合はそれまでの母親の「再質問」数を数えた。以上によって、参加者の語りの経過のタイプを分類した。再質問数1年目は2-15、2年目は1-12の範囲、Wilcoxonの順位和検定の結果、TS=0,p<.01で、2年目以降が有意に再質問数が少なかった。即時に語り始めるものは少数で、多数は質問反復により語り始めに至る。語り渋って語りに至らない者も少数であった。しかし、語り始めに要する質問反復数は経年的に減少しており、また、経年的に語り渋りがなくなる者、質問反復を要さなくなるものが16名中6名おり、語り渋りや質問反復による受動的な語りから、より自発的な語りへの発達が伺われた。
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