本研究は、視覚障害の特性に配慮したコンピュータの標準的な指導方法を明らかにし、指導手引書を作成することをめざしている。 本年度は米国において、複数の盲学校、リソースセンター、リハビリテーション訓練センター等を中心に調査を実施した。 その成果を以下に示す。 1.テキサス盲学校、ワシントン盲学校など、きめこまかな特別支援教育を実施している盲学校では、近年生徒数は増加傾向にあり、とくに高等教育への進学を希望する生徒のうちに、そうした盲学校への入学を望む者が増えている。 2.盲学校では点字、録音、拡大図書以外に、教材として、模型、触図、PC教材なども効果的に利用していた。 3.IT支援機器はどの盲学校も充実しており、専門のIT技術者を職員として採用している。 4.インターネットを用いたオンライン教育が充実している。 5.intellikeyなど児童のためのIT教育用のツールが充実している。 6.視覚障害児に対するICT指導のための指導手引書は作られていない。 また1年間のつくば大学付属盲学校での情報教育実験により、IT指導の手引きに含めるべき必須事項を抽出した。またいくつかの効果的な指導手法を開発した。
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