研究課題/領域番号 |
18340003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斎藤 秀司 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50153804)
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研究分担者 |
斎藤 毅 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (70201506)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
宮岡 洋一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50101077)
辻 雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (40252530)
志甫 淳 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 准教授 (30292204)
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キーワード | 代数的サイクル / モチフィックコホモロジー / レギュレーター写像 / 加藤予想 / 有限性定理 / Hasse原理 / Bloch-Ogusの理論 / ホモロジー理論 |
研究概要 |
主要な成果は、有限体上の多様体のモチフィックコホモロジーにたいする新しい有限性定理を示したことである。有限体上滑らかな多様体にたいし、そのモチフィックコホモロジーからエタールコホモロジーへのレギュレーター写像を考える。これが同型であることが示されれば、エタールコホモロジーにたいして知られている有限性定理からモチフィックコホモロジーにたいする有限性定理がしたがう。 当該研究の最初の成果は、上述のレギュレーター写像の同型性が加藤予想から従うことを看破したことである。加藤予想とは、上述の問題とはまったく別のコンテクストにおいて加藤和也氏により1986年に提出された予想である。加藤氏は、有限体上の射影的で滑らかな多様体にたいし、ある数論幾何的な不変最を定義して、これが常に消えていることを予想した。考えている多様体が1次元の場合には、この予想はHasse原理と呼ばれる古典的類体論における基本事実に同値である。以上により、我々の研究目標は上述の加藤予想を示すことに焦点が絞られる。 当該研究の第2の成果は、加藤予想を正標数における特異点の解消から導くことに成功したことである。基本的アイデアは、加藤予想を「有限体上のスキームのエタールホモロジーにたいし、Bloch-Ogusの理論により構成されるあるスペクトラル系列の$E^2$項にたいする消滅定理」と再解釈することである。このアイデアを発展させ、加藤予想を「適当なスキームの圏上で定義される一般的なホモロジー理論に付随するBloch-Ogusスペクトラル系列の$E^2$項の適当な条件のもとでの消滅定理」という一般的枠組みにおいて考察した。平成18年度においては、加藤予想の解決の一般的なアプローチを構成した。繰越年の平成19年度中においては、平成18年度において構成した加藤予想の解決の一般的なアプローチを特異点の解消を仮定することにより遂行し研究を行って完了した。
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