研究概要 |
・Nash問題はNashによって1968年に提起された問題であるが,Nash自身は特異点がisolatedの場合しか考えていなかったので,singular locusの次元が1次元以上ある場合はその問題の解釈が分かれる.non-isolated singularitiesの場合に一般にNash問題とされるもののほかのひとつのvariantをlocal Nash問題と定義し正規でない特異点の中で顕著な性質を持つquasi-ordinary singularitiesに対してlocal Nash問題が肯定的に解決されることを示した. ・arc spaceの中の既約な閉集合がfatであるときdiscrete valuationが定義できる.このdiscrete valuationはどのような時にdivisorial valuationになるかというのは重要な問題であるが,idealのcontact locusの既約成分に対応するdiscrete valuationはかならずdivisorial valuationになることが示された.またdivisorial valuationを一つ決めれば,arcs paceのなかにmaximalなfatな既約閉集合が定まる.これらの既約閉集合の互いの包含関係を特徴付けることがNash問題においても重要なポイントになってくる.これについてvaluation間の自然な大小関係が対応するmaximalな既約閉集合の包含関係になっているとの予想があったのだが,空間が非特異な場合でさえもこの予想の反例ができることを示した.
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