(1)本研究ではペアリングを用いた楕円曲線暗号に用いられる楕円曲線の離散対数問題および関連する諸問題の難しさ(時間計算量)を評価するための最初の研究としてそれらの上からおよび下からの何らかの非自明な評価を得ることを目標とした。 (2)一般的な楕円曲線上の離散対数問題が困難であろうことは数学・暗号両サイドでのコンセンサスが得られているが、ペアリング暗号に適する曲線に限定した場合の離散対数問題の困難性を調べるために、数論的代数幾何、計算代数学、などの種々の手法を用いて計算量評価を得るための考察を行い、離散対数問題を解くことに結び付くアルゴリズムを作成し、暗号サイズの問題への影響を分析する計画であった。
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