研究課題
この研究により得られた結果は以下の通り。Donaldson不変量の研究:Donaldson型不変量の研究において曲面の爆発のもと、層のモジュライ空間がどのように振る舞うかを調べることが重要である。今年度は吉岡と中島は、Bridgelandによって導入されたperverse coherent sheafが有効であることに気づき、その基本的な性質を調べた。とくにモジュライがquiverにより記述されることを示し、プレプリントにまとめた。層や接続のモジュライ空間の代数幾何学的(複素幾何的)性質の研究:複素曲面上の正則ベクトル束の構造は、曲面が代数的かそうでないかで全く様相がことなる。特に代数的な複素曲面の場合とは全く異なり、代数的でない複素曲面上の位相的ベクトル束にいつ正則構造が存在するか、という問題は未解決である。吉岡は大学院生の栗原と共同で代数的でない2次元complex torusやK3曲面上の位相的ベクトル束が正則構造をもつための必要十分条件を求めた。また代数次元が0の2次元complex torusの場合には既約ベクトル束が存在するための必要十分条件も求めた。齋藤は曲線上の放物的接続のモジュライ空間の構造を可積分形との関わりを中心に調べた。松下は射影的Lagrangianファイブレーションの特異ファイバーの分類問題に取り組み、底空間がなめらかな場合に標準束公式を得た。
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Math. Z. 258
ページ: 267-270
manuscripta math. (出版確定)