研究課題/領域番号 |
18340013
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
泉屋 周一 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (80127422)
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研究分担者 |
石川 剛郎 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (50176161)
小野 薫 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (20204232)
山口 佳三 北海道大学, 大学院理学研究院, 教授 (00113639)
大本 亨 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20264400)
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (80296748)
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キーワード | 特異点論 / 微分幾何 / ホロ球面 / ホロ平坦 / 線形ワインガルテン曲面 / 非ブライアント型 / 双曲空間 |
研究概要 |
当研究の所期の目標のひとつに、さまざまな種類の非線形偏微分方程式を満たす曲面の微分幾何学的性質及びその特異性の研究があるが、代表者は双曲空間内のホロ平坦な曲面と呼ばれる曲面の微分幾何学的性質とその特異性に関する研究を実施した。この曲面は、双曲空間内の線形ワインガルテン曲面とよばれる、ガウス曲率と平均曲率の間の関係式をみたすもので、その関係式は曲面に対する非線形編微分方程式で与えられるものである。線形ワインガルテン曲面はほとんどの場合は、ブライアント型と呼ばれるもので、この場合は旧来、ワイエルシュトラス型表現公式が知られており、よく研究されている。唯一例外の場合がホロ平坦曲面の場合で、今回当研究で、この曲面の特徴付けと特異点の研究を完成することができた。ホロ平坦な曲面は、ユークリッド空間内の平坦な曲面と対比することができるが、当該研究を通して状況は非常に異なっていることが認識された。実際、ユークリッド空間内の非特異な完備平坦な曲面は柱面しかないことが、知られているが、ホロ平坦な曲面の場合は特定することが出来ないほど豊富であることが解った。その中には、主曲率一定の曲面は球面か円管面であり、臍点をもたないといういわゆる塩浜、高木の定理の双曲空間版の反例の具体的パラメータ付け曲面も得られる。また、特異点をもつ場合も、ユークリッド空間内の平坦曲面より、多くの特異点をもつことが解った。このように、ホロ平坦な曲面は非常に豊富な幾何学的性質をもつ曲面であり、今後の重要な研究対象となると思われる。
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