研究課題/領域番号 |
18340013
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80127422)
|
研究分担者 |
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (50176161)
小野 薫 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20204232)
山口 佳三 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (00113639)
大本 亨 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20264400)
利根川 吉廣 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80296748)
|
キーワード | 反ド・シッター空間 / ブレーン / ガウス・ボンネ型定理 / ホロタイトはめ込み / ホロ凸 |
研究概要 |
平成20年度の研究成果としては、反ド・シッター空間内の空間的曲面の外在的微分幾何学の構成と特異点論の応用と双曲空間内のホロタイトはめ込みの研究がある。反ド・シッター空間は近年素粒子論や宇宙論で注目されているローレンツ空間形である。数学的には双曲空間のローレンツ版と解釈され、双曲空間が豊富な幾何学的性質をもつので、反ド・シッター空間も当然、豊富な幾何学的性質をもつことが期待される。特に、その中の部分多様体はブレーンと言う理論物理学において重要な研究対象である。当研究では特異点論を応用することにより、新たな幾何的不変量(ある種の曲率)を発見し、その幾何学的意味を研究した。さらに、大域的性質としてその曲率に対してガウスーボンネ型の積分公式が成り立っことを示した。その際、重要な役割を担うのが、ラグランジュ及びルジャンドル特異点論である。一方、双曲空間内へのホロタイトはめ込みの概念は1979年にCecilとRyanが導入して以来、研究の著しい進展が見られない。特に、その幾何学的特徴付けは今まで全く知られていなかった。当研究では、ホロタイトはめ込みと昨年までの研究で得られたホロ球面的絶対全曲率との関係を考察し、その余次元が1の場合は、ホロ球面的絶対全曲率の満たす不等式が等式となることと多様体が球面となりかつホロタイトはめ込みとなることが必要十分条件であることを示した。さらに、その条件はホロ凸と言う条件とも同値であることも示した。また、余次元が高い場合は、球面のホロタイトはめ込みの像は距離で定義された標準的な球面となることを示した。その結果、球面のホロタイトはめ込みはCecilとRyanが定義した双曲的タイトはめ込みと同値となることがわかり、1985年にCecilとRyanが提出した「球面のホロタイトはめ込みを特徴付けよ」と言う問題に完全な解答を与えた。
|