研究分担者 |
秋吉 宏尚 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 特任助教授 (80397611)
和田 昌昭 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80192821)
山下 靖 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (70239987)
大鹿 健一 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70183225)
梅原 雅顕 大阪大学, 理学研究科, 教授 (90193945)
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研究概要 |
(1)垣水複体の研究 研究代表者はKenneth Shackletonとの共同研究により,結び目Kがアトロイダルであるなら,その最小種数ザイフェルト曲面が作る垣水複体MS(K)の直径が結び目の種数により上から評価できることを証明した.応用として,Kの種数が1であるなら,その垣水複体は単連結であることを証明した. (2)Jorgensen理論の完全な証明. Jorgensenによる一点穴あきトーラス擬フックス群の研究は様々な重要な研究を喚起し,多くの研究者の関心を集めているにもかかわらず,Jorgensenによる未完の論文があるだけであった.この中で,秋吉宏尚,研究代表者,和田昌昭,山下靖の共同作業によりJorgensen理論を3次元トポロジーの立場からの明快な記述と完全な証明を書き下し,更に比較的少ない予備知識しかもっていない読者でも理論の概要を理解できるように詳しい導入部をつけた.本書は290ページのモノグラフとしてSpringer Lecture Notes Seriesより出版予定で,これにより安心してJorgensen理論が使えるようになった意義は大きい. (3)Cannon-Thurston Mapの研究. Warren Dicksとのe-mail文通により,穴あきトーラス束から生じるCannon-Thurston Mapに付随する平面のフラクタル分割と,標準的分割が導くカスプ三角形分割との間に自然な関係がありそうであると予想した.現時点ではまだ証明には成功していないが,確かな手応えを感じている.
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