研究課題
本研究の目的は、乱流を含めた流体の運動学における様々な幾何学的な構造やアイディアを総合的に研究し、数値計算の手法についての提言や流体解析の理解に新たな寄与をすることにある。昨年度に引き続き以下の内容について研究を行なうとともに最終年度として全体のまとめを行なう事に努めた。[1]成層乱流のエネルギースペクトル定常な成層乱流のエネルギースペクトルをモデルを使わない直接数値計算をもとに考察した。水平方向のエネルギースペクトルは低波数側で波数の-3乗に、高波数側で-5/3乗に比例することが確認され、係数がそれぞれ2次元のエンストロフィー散逸とエネルギー散逸の関数で書き表せることがわかった。遷移スケールは上記のエンストロフィー散逸とエネルギー散逸の比の平方根に係数の補正がかかったものであることが予想されることがわかった。計算は名古屋大学情報基盤センターのスーパーコンピューターを使用し、解析はコロラド州の米国立大気研究所においてJ.R. Herring博士と共同で行なった。[2]3次元渦糸の衝突解オイラー方程式の特異解として3次元空間内に対称に配置された6つの渦対の衝突の問題を考察した。一本の渦糸上の代表点の運動を考えることにより2次元力学系が得られ、その自己相似解について考察を行なった。
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Geophysical and Astrophysical Fluid Dynamic 103
ページ: 135-142
Proceedings of the IUTAM symposium on Hamiltonian Dynamics, Vortex Structures, turbulence, IUTAM Bookseries 6
ページ: 119-124