研究課題/領域番号 |
18340027
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90234509)
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研究分担者 |
相川 弘明 北海道大学, 理学研究院, 教授 (20137889)
重川 一郎 京都大学, 理学研究科, 教授 (00127234)
木上 淳 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90202035)
日野 正訓 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40303888)
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キーワード | 確率論 / 解析学 / 応用数学 / 数理物理 / フラクタル / 飛躍型確率過程 / 国際研究者交流 / イギリス:ドイツ:ポーランド |
研究概要 |
本年度行った研究により得られた成果は、以下の通りである。 1. Sierpinski carpet上に、局所的な折り返しや平行移動で不変な拡散過程は(定数倍の時間変更を除いて)ただ一つに定まる事を証明した。これは、carpet上のブラウン運動の一意性の問題として知られる当該分野の主要な未解決問題であった。この結果は、Barlow氏、Bass氏、Teplyaev氏との共著論文にまとめ、現在雑誌に投稿中である。 2. D次元正方格子上の対称マルコフ過程で、2点間のコンダクタンスが、2点間の距離が離れても0にならないようなものを考える。コンダクタンスに関する非常に弱い可積分条件の下、熱方程式のアプリオリ評価、熱核評価などを与えた。さらに、スケール変換したマルコフ過程が、拡散部分と飛躍部分を持つ確率過程に収束するための十分条件を与えた。これはStroock-ZhengやBass-Kumagaiの結果を拡張した結果である。 3.リーマン多様体上の非対称な拡散過程を考察し、基本解の収束の速さが、対称な場合に最も遅い事を示した。 4. Sierpinski gasket上のブラウン運動からgasketの底辺へのトレースを取ることにより得られる飛躍型確率過程について、その二次形式の表示を与える事により、熱核の評価を与えた。さらに、より一般的な見地から、樹木状の図形上の拡散過程とそのMartin境界上での確率過程の挙動について研究を行った。
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