研究概要 |
本年度はフランス・リュミニィにおいて6月と11月に開かれた研究集会に出向き,本科学研究費補助金で実施してきた研究成果を報告した.タイトルは「Homogeneous convex cones and basic relative invariants」で,連携研究者の伊師英之名大多元数理准教授と共同で得られた結果である.そこには最新の成果であるユークリッド型ジョルダン代数のクラン構造における右乗法作用素の構造を調べてその行列式も計算した結果も織り込んだ.この結果については独立に学術論文として発表することを計画している.具体例での計算は指導した大学院生の平成20年度修士論文として発表済みである. 平成20年8月24日から30日まで,東京大学玉原セミナーハウスで開かれた日露ワークショップへ,金行壮二上智大学名誉教授と笹木集夢早稲田大学助教の二人の目本人研究者を,本科研費から派遣した.対称空間の因果構造に関する講演(金行)リー群の可視作用に関する講演(笹木)とそれに関連する議論は本研究課題に益するところ大であった.本研究代表者自身も等質開凸錐上の不変微分作用素に関する講演を行い,研究の経過報告を行った.その後の進展の一部はもう一人の大学院生の平成20年度修士論文に組み込んで発表してある. 九州大学数理学研究院における表現論セミナーで,Fulton Gonzalez米国・タフツ大学教授,Jean Ludwig仏国・メッス大学教授,Ali Bakloutiチュニジア・スファックス大学教授にそれぞれ ・Multitemporal Wave Equations on Symmetric Spaces: Mean Value Solutions(Gonzalez) ・The C*-algebra of the Heisenberg group(Ludwig) ・Deformation of discontinuous subgroups acting on some exponential homogeneous spaces(Baklouti),という講演を,本研究課題との関連性を強調しながらしてもらった(謝金を支払った)
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