本年度は、木曽に新設したサイ下による観測を継続するとともに、特にデータの副次的利用として全天の突発天体のモニター、そしてデータベースの公開のためのデータ処理を進めた。これまでの改良によってWIDGETは12等級に達する限界等級感度を達成した。また0.5等級の変光に対する感度も確認された。さらに、広い視野をもちいて次々におきるGRBを追って移動するSwift衛星の視野をおうことは、自動的に全天探査をすすめることに相当する。自動的に全天を広く掃く可視光での画像を継続的に撮影できることになるので、蓄積されたデータを利用して、全天での変光天体の長期モニターになるので、これを広く公開することの意義は大きい。今年度は、撮影画像から自動的に星を検出・計数し、2000以上の星が検出されれば晴れており利用可能なデtタとし、2000以下であれば公開データから外すというアルゴリズムを開発し、20TBに及ぶデータを半分以下に圧縮した。さらに、広視野光学系による収差を測定し、光軸と収差の半径依存性をもとめ、画像の線形補正方法を確立し、これをFITSヘッダに書き込む方法を確立した。これと赤道儀の制御ログから視野中心と方位角がわかるので、これらの情報と標準星を用いてのアスト白メトリがユーザーによって可能になる。これによって、データを公開する手法が確立したので、データ処理をすすめながら順次公開をすすめていく。
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