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2008 年度 実績報告書

広がった天体の加速メカニズム解明に向けたX線画像復元法と偏光測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18340052
研究機関東京大学

研究代表者

釜江 常好  東京大学, 大学院・理学系研究科, 名誉教授 (90011618)

キーワード画像復元法 / X線偏光測定 / ガンマ線偏光測定
研究概要

X線天文学が生まれて約50年が経過し、電子や陽子が加速され非熱的な放射を生む天体が多く発見されてきた。その中には、強い磁気を帯び高速で回転する中性子星(パルサー)や降着円盤を持つブラックホールなどがある。長年にわたる研究の結果、パルサーとその周辺に広がるパルサー星雲からの硬X線放射は主として高エネルギー電子(数TeV以下)によるシンクロトロン放射であると推測されてきた。一方、ブラックホールからの硬X線放射は、ブラックホール周辺にある軟X線が降着円盤から噴出す電子によりコンプトン散乱されて生まれると思われている。この二つの放射過程は、硬X線が大きく偏光することで特徴付けられる。本研究は、偏光測定に最適なエネルギー帯域、20-80keVで偏光を測定し、放射メカニズムを確認することを目的にした。我々は、スウェーデンや米国の研究者と協力し、極めて感度が高い偏光測定装置を開発することに成功した。装置はSpring8やPhoton Factoryの偏光で性能を確認したのち、2010年4月時点で気球観測用のゴンドラに搭載している。2010年夏には、スウェーデンの気球センターから放球され、かに星雲(パルサー星雲の代表例)と白鳥座X-1(ブラックホール天体の代表例)を観測する予定である。かに星雲に関しては、偏光度の大きさだけでなく、電子が加速されていると思われている磁気トーラスの軸と偏光面のなす角度を測定する。白鳥座X-1では、大きく揺らぐX線光度と偏光度の相関を取ることで、降着円盤をもつブラックホール特有の揺らぎが、不規則に噴出す電子によるものであるかどうかを研究する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] A Monte Carlo method for calculating the energy response of plastic scintillators to polarized photons below 100keV2009

    • 著者名/発表者名
      T.Mizuno, et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A 600

      ページ: 609-617

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PoGOLite A high sensitivity balloon-borne soft gamma-ray polarimeter2008

    • 著者名/発表者名
      T.Kamae, et al
    • 雑誌名

      Astroparticle Physics 60

      ページ: 72-84

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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