研究課題
可視光領域で初めての本格的な補償光学面分光を実現させるべく、京都三次元分光器第2号機(3DII)をすばる新補償光学システム(A0188)に接続するために、(1)光学的インターフェイスと(2)機械的インターフェイスの設計/製作を行っている。平成19年度は、繰り越した補助金も使用しながら(2)を実現化した。もともとの平成19年度補助金は、とくに機械的インターフェイスを精度・再現性良く置くために床に設置する固定点の製作やそのための打ち合わせの旅費に使用した。固定点の実際の床への取り付け、及びインターフェイスをA0188に組み合わせての試験観測までは間に合わなかったが、これらは平成20年度に行う予定である。これらの作業と並行して、3DIIの維持とこの装置を用いた共同観測・論文執筆や研究成果の公開にも努めた。例えば、重力レンズ天体を面分光観測した結果を論文として印刷中だったものが実際出版された。私たちと天体(超巨大ブラックホールに起因する活動性を示すクェーサなど)との間に別の天体(銀河など)が存在すると、間にある天体の重力の影響を受けて、奥にある天体が多重像となって観測される現象だ。この現象を利用すると、間にある天体の見えない質量を含めた質量分布の議論が可能となり、一方では、奥にある天体の極微の構造が引き伸ばされて空間分解できるようになる。この研究テーマは、3DIIのA0188への接続が成功した場合には即応用したいテーマである。この内容を一般の方々にもわかりやすい形の文章にし、説明のイラスト入りでウェブページにも公開した。
すべて 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
the proceedings of" Panoramic Views of Galaxy Formation and Evolution", lst Subaru International Conference 1(印刷中)
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society (印刷中)
The Astrophysical Journal 660
ページ: 1016-1022
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/%7Esugai/index_j.html