研究課題
10年後程度におとずれるであろう可視光回折限界補償光学の時代に面分光を実現することを最終的な目標に、それまでの重要なステップとして、本研究の目的は、すばる望遠鏡においてここ1〜2年で実現されるレベルの可視光補償光学に適合した、面分光装置を立ち上げることにある。つまり、可視光領域で初めての本格的な補償光学面分光を実現させることである。これまでの面分光の経験を活かし、比較的短期間で実現できるという点も重要である。今回、分光器(3DII)を新補償光学システム(A0188)に接続するためのハードウェアインターフェイスであるナスミス焦点用アダプタの試験に成功した。具体的には、i)分光器のアダプタへの設置、ii)アダプタ回転機構を用いた分光器姿勢の切り替え、iii)アダプタの移動、iv)アダプタ固定点の設置、に成功した。iii)は、普段分光器を使用しているカセグレン焦点階とナスミス焦点階との間の移動のことであり、ナスミス焦点階のクレーンを使用することにより、2つの階の間にある比較的狭い穴を通して移動する手順を確立することができた。iv)については、A0188の光軸調整用レーザを用いて固定点を定義することに成功している。なお、3DII専用の固定点設置穴をナスミス焦点床にあけることについては、ハワイ観測所によるレビュー委員会が設けられ、正式な形でも認められた。A0188グループは、複数のダイクロイック鏡(光学インターフェイス)を遠隔操作で精度良く入れ替えることのできるスライド機構を作成しており、これにより3DIIはA0188と有機的に結合されることになる。
すべて 2008 その他
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the proceedings of "Panoramic Views of Galaxy Formation and Evolution", 1st Subaru International 1
ページ: 98-98
Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 386
ページ: 1355-1365
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~sugai/index_j.html