研究課題/領域番号 |
18340056
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐貫 智行 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助手 (70323491)
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研究分担者 |
駒宮 幸男 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授 (80126060)
清水 裕彦 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (50249900)
日野 正裕 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70314292)
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キーワード | 精密研磨 / 素粒子実験 / 超精密計測 / 微小重力 / 放射線、X線、粒子線 |
研究概要 |
CCDを用いて位置分解能に優れた超冷中性子検出器を試作し、基本的な動作試験に成功した。 CCDはピクセルサイズの位置分解能を容易に得ることができるので、本研究の用途に非常に適している。しかしながら、電気的に中性である中性子をCCDでは検出できない。そこで、リチウムやボロンを中性子コンバータとして用い^6Li+n→α+tや^<10>B+n→^7Li+αの反応によって中性子を荷電粒子に変換することにした。これらの反応によって出てくる荷電粒子は、そのエネルギーは2MeVから3MeV程度と非常に低いので、中性子コンバータ中で止まってしまいCCDに到達できない可能性がある。検出効率を高めるために、蒸着によって非常に薄い中性子コンバータをCCDの上に形成することとした。 形成した薄膜は非常に脆くて剥がれやすいが、蒸着の条件を調整することによって必要な機械的安定度を達成できた。リチウムとボロンの薄膜をつけたCCDに原子力研究機構において中性子を照射し、実際に中性子を検出することに成功した。ピクセルサイズの位置分解能と、薄膜の厚さから期待される検出効率をほぼ達成できているようであるが、詳細な測定は平成19年度以降に行う予定である。 リチウムのシリコン中への拡散速度は、他の金属と比べると非常に早い。リチウムを蒸着したCCDは、拡散したリチウムの影響で動作しなくなる可能性も考えられる。そこで、シリコンウェハ上にリチウムを蒸着し、その電気抵抗の時間変化を測定してリチウムの拡散状況を調べた。加温して加速試験をしたが、電気抵抗の大きさに著しい変化はみられなかった。この結果から、リチウムを蒸着したCCDでも6年以上は動作するものと考えられる。
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