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2008 年度 実績報告書

位置・時間分解能に優れる超冷中性子検出器の開発と未知短距離力の探索

研究課題

研究課題/領域番号 18340056
研究機関東北大学

研究代表者

佐貫 智行  東北大学, 大学院・理学研究科, 准鞭 (70323491)

キーワード中性子 / 量子力学 / 素粒子実験 / 超精密測定 / 微少重力 / 放射線検出器
研究概要

1. CCDを用いて製作した中性子検出器の、中性子に対する位置分解能を精密に調べた。製作した検出器は、位置分解能を最大限に高めるために、中性子を荷電粒子に変換するコンバータ用の金属薄膜をCCD上に直に蒸着した。コンバータとしては、高い変換効率を期待できる^6Liと^<10>Bを比較した。詳しい解析の結果、^6Liの場合は5.3μm、^<10>Bの場合は2.9pmの位置分解能を達成できることを示した。これほど精密な位置をリアルタイムに測定できる中性子検出器は前例がなく、多分野で応用が期待できる。
2. フランスのラウエ-ランジュヴァン研究所において、実際の超冷中性子が物質表面で反射する様子を調べた。その結果、ほぼ予想通りの反射をすることが確認できた。したがって、本研究で開発した凸面鏡を用いた拡大システムは、超冷中性子でも予想通りに動作すると考えられる。
3. これまでの研究結果をもとに、超冷中性子を重力場中に束縛して中性子の空間分布を拡大・観察するための実験装置の設計を見直した。CCD中性子検出器の位置分解能が当初の予想よりも高かったので、拡大システムによる拡大率を下げた。拡大率を下げることによって、拡大システムの製作が容易になり、より確実な動作を保証できる。以上の結果を総合して、重力場中に束縛された超冷中性子の空間分布を測定するための実験装置を製作した。
4. 現状では、十分な統計精度を期待できる強力な超冷中性子源を持つ施設がフランスのラウエ-ランジュヴァン研究所に限られるため、超冷中性子を用いる研究は進めにくい。しかし、2008年末になって我々の実験企画書が同研究所に受理され、超冷中性子を用いて実験することが認められた。中性子のエネルギーが量子化されている様子を明瞭に捉え、詳しい解析によって未知短距離力の探索を目指す。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Proposal for measuring the quantum states of neutrons in the gravitational field with a CCD-based pixel sensor2009

    • 著者名/発表者名
      T. Sanuki, et.al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A 600

      ページ: 657-660

    • 査読あり
  • [学会発表] 重力による量子力学的効果の検証実験計画2009

    • 著者名/発表者名
      川崎真介
    • 学会等名
      中性子デバイスとその応用
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] 重力に束縛された超冷中性子の量子状態観測実験-ILLでの実験に向けて2009

    • 著者名/発表者名
      市川豪
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] 重力場による超冷中性子の量子状態観測-ILLでの超冷中性子照射試験について-2008

    • 著者名/発表者名
      川崎真介
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      山形
    • 年月日
      2008-09-23
  • [学会発表] 重力場による超冷中性子の量子状態観測-冷中性子を用いた測定器の性能評価-2008

    • 著者名/発表者名
      市川豪
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      山形
    • 年月日
      2008-09-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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