研究課題/領域番号 |
18340059
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山脇 幸一 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (90135301)
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研究分担者 |
棚橋 誠治 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (00270398)
原田 正康 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40311716)
前川 展祐 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (40273429)
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キーワード | ウォーキングテクニカラー / 対称性の力学的破れ / 隠れた局所対称性 / コンフォーマル固定点 / 強結合ゲージ理論 / ホログラフィックQCD / 余剰次元 / 異常次元 |
研究概要 |
我々の提唱した異常次元の大きなウオーキングテクニカラー理論は質量の起源を力学的に説明する模型として盛んに研究されており、まもなく本格稼動するLHC実験での検証が期待されている。ウオーキングテクニカラー理論におけるSパラメターの問題に対してゲージ・重力対応によるホログラフィーの手法で解析する一般的系統的な方法を提案した。また従来の他のグループによる断片的研究結果がテクニフェルミオン凝縮のくりこみ点依存性を正しく扱っていない点に起因することを明らかにした。(羽場・松崎・山脇、2008)。ワシントン大学の核理論研究所におけるワークショップでも発表した。 一方、トップクォーク凝縮模型の改良版として、以前提案していた湯川結合によるトップクォーク凝縮の模型を再検討した。湯川結合によるトップクォーク凝縮が引き金となって、現実的な値のトップクォークの質量とともに弱スケールを保証する真空期待値が力学的に発生することを示した。この結果元の素なヒッグス2重項のほかに複合ヒッグス2重項が生成され、ヒッグス2重項が2種類存在する模型となる。論文準備中(橋本道雄・山脇、2009)。 さらに、5次元理論であるホログラフィックQCDの質量の大きなカルツア・クライン(KK)モードを積分して一番軽いベクターメソンのみの「隠れた局所対称性(HLS)」の理論に還元する方法を数年前に提案したが、これを詳しく系統的に展開した。今回はチャーン・シモンズ(CS)作用の積分も考察した。高いKKモードの積分後これらの効果はP^4項および内部パリティー奇のHLS不変項として現れる。例として酒井・杉本模型からP^4項および内部パリティ奇の係数を予言し実験と比較した。この方法は電弱理論におけるヒッグスレス模型にも応用できる。論文準備中(原田・松崎真也・山脇、2009)
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