研究分担者 |
高崎 金久 京都大学, 人間環境学研究科, 教授 (40171433)
小竹 悟 信州大学, 理学部, 教授 (40252051)
稲見 武夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20012487)
江口 徹 東京大学, 理学系研究科, 教授 (20151970)
笹倉 直樹 京都大学, 基礎物理学研究所, 助教授 (80301232)
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研究概要 |
反ドジッター空間を伝播する弦の挙動を,対応する非線形シグマ模型で記述できる.特殊な標的空間の場合に,共形対称性が量子論でも保持されることが報告されている.超グラスマン多様体上のシグマ模型の厳密古典解を初等的に構成して見せた(佐々木,楊,張).自己双対ヤン・ミルズ・ヒグス場に渦糸や境界壁のある場合の理論が可解でないことを,パンルベ性の欠如から示した.また非(反)可換空間上の可解場の理論の例として超対称複素射影空間シグマ模型のインスタントン方程式を調べた.非(反)可換性がインスタントン方程式を変形しないことを見た(稲見他).2次元共形場の理論のくりこみ群の流れを記述するc-定理の4次元超共形場の理論での対応物(a-定理)を幾何学的に定式化した(加藤).超弦のコンパクト化に現れるカラビ・ヤウ多様体を共形場で記述する際に出てくる,離散・連続表現を結合して簡単なモジュラー変換性を持つものを得た(江口他).可換・非結合的なファジー空間の動力学的生成を,テンソル模型に基づき行った.またボアンカレ対称で可換・非結合的時空の中のスカラー場の理論を論じ,1ループの計算でユニタリ性が破れていないことを見た.これは非可換空間の場合と対照的である(笹倉他).2成分KP方程式の非分散極限から,非分散広田方程式を得た.これは普遍ウィタム階層のハミルトン・ヤコビ方程式の系に同値である.更に,種数0の普遍ウィタム階層と多成分KP階層の非分散極限が同一であることを示した(高崎他).今まで自由場でしか知られていなかった場の理論や量子力学系の厳密解であるハイゼンベルグ演算子解と生成・消滅演算子の具体形を,一体の(連続・離散)量子力学で包括的に与えた(佐々木,小竹).揺動現象を記述するフォッカー・プランク方程式の可解な変形を,可解な離散量子力学に基づいて提案した(佐々木,何).
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