研究課題/領域番号 |
18340066
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
作田 誠 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40178596)
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研究分担者 |
中畑 雅行 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (70192672)
酒見 泰寛 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (90251602)
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キーワード | ニュートリノ振動 / ニュートリノ原子核反応 / 電子原子核反応 / 超新星爆発 / 超新星背景ニュートリノ |
研究概要 |
研死の目的:本研究期間中に次の2つの事(1),(2)を行うと書いた。 (1)ニュートリノ原子核(炭素、酸素)反応の現象論的研究 (2)SK実験での超新星ニュートリノ解析を行う。そして(1)の計算を超新星ニュートリノ反応や大気ニュートリノ反応の解析に活用する。 今年度の研究内容は以下の通りである。 前年度、研究分担者中畑と協力し超新星爆発起源のニュートリノ探索の論文を完成したが、次の大きな実験目標を10MeVから30MeV領城の超新星背景ニュートリノの検出と定めた。すなわち、目的の(2)を発展することに集中した。 超新星背景ニュートリノとは、宇宙の始まりから平均1秒に一回起こっている超新星爆発の際に生成され、宇宙に漂つているニュートリノである。この超新星背景ニュートリノが世界最大のスーパーカミオカンデ装置を持ってしても反応する割合は、年間1-5個である。且つ、それを発見するには、現在の水中にガドリニウムを溶かし、反ニュートリノ反応で検出器に生成される陽電子だけでなく中性子をガドリニウムと反応させ、同時計測をする事二によってバックグランドを減らすことが必要と判断した。本年度の研究では、非常勤研究員(樹林敦子)を雇用し、小型実証機(純水+ガドリニウム)の設計のための詳細な計算機シミュレーションを行った。その結果はGeant4国際会議や日本物理学会で発表した。 また、超新星背景ニュートリノ解析では、100-200MeV領域のミュー型大気ニュートリノの原子核反応による事象がバックグランドとして混入するため、100-200MeV領城のニュートリノ原子核反応の改良を現存する電子原子核反応データで較正することにより行っている。 研究の意義:カミオカンデが天の川銀河の外にある1987Aの超新星爆発起源のニュートリノを捕らえたが、それ以外は観測されていない。超新星背景ニュートリノの発見は大変意義のあることである。さらに、この研究は他の大型ニュートリノ実験に応用できるものである。
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