研究課題/領域番号 |
18340071
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
早川 岳人 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (70343944)
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研究分担者 |
静間 俊行 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究副主幹 (50282299)
小松原 哲郎 筑波大学, 数理物質科学研究科, 講師 (10195852)
藤原 守 大阪大学, 学内共同利用施設等, 助教授 (00030031)
中田 仁 千葉大学, 理学部, 助教授 (80221448)
千葉 敏 原子力機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (60354883)
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キーワード | 光核反応 / 超新星爆発 / 逆コンプトンガンマ線 / ニュートリノ |
研究概要 |
La-138を含む35核種の同位休はp核と呼ばれ、過去50年以上に亘って天体起源が議論されてきた。これらのp核は、陽子過剰領域側に位置し中性子捕獲反応過程では生成できない。また、同位体比は小さい(0.1〜1%程度)という特徴を有する。太陽組成の分析により、27核種のp核は超新星爆発の光核反応で生成された証拠を発見した。これまで、γ過程と呼ばれるモデルが提唱されており、このモデルで説明できる。超新星爆発において、酸素・ネオン層では温度が10^9Kまで上昇する.このような温度では、プランク分布による輻射熱は10MeV近いy線領域に達する。このγ線による(γ,n)反応により、既に存在していた原子核から軽い同位体が生成されることをモデル計算で明らかにした。このようなγ過程の理解には、γ線を用いた実験が有効である。最近になり、SPring-8内にあるニュースバル放射光施設において、Nd:YVO_4レーザーによる逆コンプトンガンマ線が実用化された。このγ線は最大エネルギーが約17MeVであり、(γ,n)反応が起きる巨大共鳴よりエネルギーが高い。そのため、効率的に光核反応により中性子数の少ない同位体を生成できる。この手法で、Re-185からRe-184を生成した。Re同位体はγ過程の研究のために、放射化法を用いて光核反応断面積の測定が行われている同位体である。放射化法の解析においては、生成された不安定同位体の半減期が反応断面積に比例する。そのため、精密な半減期が重要である。そこで、この逆コンプトンガンマ線を用いてRe-184の半減期を精密に測定し、これまでの推奨値より7%短いことを明らかにした。推奨値にはアイソマーの影響があったため、実際の値より長くなっていた。
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