研究課題/領域番号 |
18340077
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
石田 卓 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (70290856)
|
研究分担者 |
多田 将 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (00391706)
|
キーワード | 素粒子実験 / 加速器 / 放射線,X線,粒子線 / ニュートリノ / T2K |
研究概要 |
次期ニュートリノ振動実験であるT2K実験において、ニュートリノ混合行列のCP非対称性観測を行う将来計画を可能とするハドロン吸収体・2次粒子モニター系の設計開発を行うことが本研究の目的である。将来計画時に1MWにもなる発生熱を効率的に分散させるため、ハドロン吸収体には密度の小さいグラファイトブロックを用い、その両側面を冷却板で冷却する構造を採用した。冷却板には鉄冷却配管を内部に鋳込んだ高熱伝導率のアルミ合金(JIS-AC4C)製冷却板を利用し、ビーム方向に半切のグラファイト7ブロックをひとつの冷却板に締結、ハドロン吸収体コアモジュールを構成することとした。コアモジュールを左右2個、高さ方向に7段積み上げ、計14モジュールで、高さ約5m、幅約2.5mを覆う巨大なハドロン吸収体を建設し、調整可能なオフアクシスビーム生成を実現する計画である。平成18年度の研究では、コアモジュールの主要構成要素である大型アルミ冷却板の鋳造を行う際、鋳物内部で配管が大きく変形してしまうことが大きな問題となっていた。最適な配管材質・肉厚・鋳造方法を決定するため、配管2本を鋳込んだ実機長さの試験鋳物を多数鋳造し、鋳物内の配管位置計測を行った。さらには実際にヒータにより熱負荷を加え、反りを測定する試験を行った結果、鋳物内部の配管の歪みを小さくおさえ、かつ運転熱負荷時の反りを数mm以内に抑えうる鋳造方法を確立することができた。本研究による結果を反映して、実機冷却板14台が成功裏に鋳造され、コアモジュール全数の組立までを終えることができた。
|