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2006 年度 実績報告書

テラヘルツ分光法によるカーボンナノチューブの伝導及び光励起ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18340082
研究機関東京大学

研究代表者

島野 亮  東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (40262042)

研究分担者 渡辺 紳一  東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (10376535)
キーワードカーボンナノチューブ / テラヘルツ / 誘電関数 / 超高速分光 / 有効媒質理論
研究概要

本研究では、1次元電子系の候補物質としてカーボンナノチューブをとりあげ、その基底状態、光励起状態のダイナミクスを、低エネルギーmeV、即ちテラヘルツ(THz)周波数領域の電磁応答から調べることを目的としている。本年度は、カーボンナノチューブ間の接触の影響を除去するためにポリマー薄膜中に分散したカーボンナノチューブ試料を対象とし、基底状態における誘電率スペクトル、伝導度スペクトルを広範囲に亘って計測することを主眼とした。このために、パルス幅14フェムト秒のモード同期レーザーを用いた広帯域テラヘルツ分光システムを構築し、0.2-20THz(0.8-80meV)までの誘電率スペクトルを計測することが可能となった。HiPco法で合成された単層カーボンナノチューブ(SWNT)を分散したポリマー複合膜の実効誘電率を計測した結果、複合膜の誘電率実部は、低周波(2THz以下)の領域で正に大きな値を示すことを見出した。さらに実験結果から有効媒質理論を用いてカーボンナノチューブの平均複素誘電率、伝導度スペクトルを導出した。その結果、伝導度スペクトルは3THz近傍にピークを持ち、複素誘電率スペクトルはオーバーダンプしたローレンツ振動子モデルでよく再現できることがわかった。低周波領域の巨大誘電率の起源も、同様にこの3THzに共鳴を持つローレンツモデルで説明されることも示された。ナノチューブの曲率を考慮したバンド計算の結果との比較から、観測された誘電応答はスモールギャップSWNTの応答を示唆するものと解釈された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Broadband THz time-domain spectroscopy of single-wall carbon nanotubes2007

    • 著者名/発表者名
      H.Nishimura
    • 雑誌名

      Proceedings of Quantum Electronics and Laser Science Conference 2007 in press

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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