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2008 年度 実績報告書

テラヘルツ分光法によるカーボンナノチューブの伝導及び光励起ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 18340082
研究機関東京大学

研究代表者

島野 亮  東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (40262042)

キーワードカーボンナノチューブ / テラベルツ / 高密度励起効果 / 超高速分光 / 有効媒質理論 / 誘電関数 / ポンププローブ分光法 / キャリアダイナミクス
研究概要

前年度に開発した広帯域テラヘルツプローブ光ポンプ分光法の測定精度をさらに向上させ、ポリマー中に孤立分散させた単層カーボンナノチューブの光励起キャリアダイナミクスの観測を行った。その結果、孤立分散したカーボンナノチューブで、テラヘルツ周波数帯で光励起キャリア応答を示ず負の誘電率応答をとらえることに初めて成功した。金属、半導体ナノチューブをともに含有するHIPCOナノチューブ、半導体ナノチューブを多く含有すると考えられるCoMoCATナノチューブとの比較実験から、観測されたキャリアの応答は半導体ナノチューブ由来であることがわかった。テラヘルツ周波数帯の複素誘電率解析を行った結果、キャリアの応答に由来する誘電関数実部は低周波数で正、高周波数で負の値をとり、局在化したキャリアの電磁応答を示唆する結果が得られた。一方、金属ナノチューブで遠赤外領域に典型的に観測されるブロードな吸収バンドは、光励起後に大きな吸収飽和を示すことがわかった。この吸収バンドの起源としてスモールギャップナノチューブによるバンド問遷移が考えられており、観測された吸収飽和信号は光キャリア励起に伴うスモールギャップナノチューブのバンドフィリング効果に起因すると考えられた。比較実験として、3次元系での光励起キャリアダイナミクス(バルク半導体、Si)、擬1次元系(有機導体)の光励起ダイナミグスをテラヘルツ過渡透過測定、過渡反射測定により行い、それぞれの系での光励起効果、高密度キャリアダイナミクスを調べた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Spin-density-wave gap in (TMTSF)2PF6 probed by reflection2008

    • 著者名/発表者名
      S. Watanabe, R. Kondo, S. Kagoshima, and R. Shimano
    • 雑誌名

      Phys. Stat. Solidi (b) 245

      ページ: 2688-2690

    • 査読あり
  • [学会発表] THz時間領域ポンププローブ分光法によるSiの励起子・電子正孔液滴形成ダイナミクスの観測2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木剛, 島野亮
    • 学会等名
      日本物理学会2008年秋季大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      20080900
  • [学会発表] 孤立分散したカーボンナノチューブ薄膜の光ポンプテラヘルツプローブ分光2008

    • 著者名/発表者名
      芝沼隆太、島野亮、南信次
    • 学会等名
      日本物理学会2008年秋季大会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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