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2008 年度 実績報告書

2層系量子ホール効果における新奇な状態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18340088
研究機関京都大学

研究代表者

澤田 安樹  京都大学, 低温物質科学研究センター, 教授 (90115577)

研究分担者 新井 敏一  京都大学, 低温物質科学研究センター, 助教 (80333318)
福田 昭  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70360633)
江澤 潤一  東北大学, 理学研究科, 教授 (90133925)
キーワード量子ホール効果 / 2次元電子系 / 2層系 / マイクロ波 / ソリトン格子 / 磁気抵抗 / ホール抵抗 / マクロコヒーレンス
研究概要

2次元電子系を近接して2層に配置した量子ホール状態は、層間のクーロン相互作用により2層の電子が互いに協力しあって新しい量子ホール状態を形成する。特に層間相互作用の強い場合、ランダウ準位占有率ν=1および2の量子ホール状態は2層の電子密度差を任意に変えても安定に存在する。本研究では,2層系ν=1量子ホール状態で発見した擬スピン・ソリトン格子相と考えられる新しい状態について,面内磁場に対する伝導特性の異方性を測定した.その結果明らかになったソリトン励起の存在は全く新しい発見であり,また擬スピンのソリトン励起としても新しいものである.更にソリトン相への転移が1次であることを見い出したので現在論文を出筆している.2層系試料に量子ホール効果測定のための電流、電圧端子を設けるとともに、電子密度調整をするためのショットキーゲートを試料の両面に取り付けた試料を製作した。希釈冷凍機の混合器内で,超伝導ステッピングモーターにより,試料を0.05°の分解能で1軸回転するゴニオメータと,14.5テスラ超伝導マグネットを有する装置を使って,これまで使用してきた試料で磁気抵抗極大現象の電子密度差依存性を測定した.さらに新たに製作したトンネリング・ギャップの異なる試料での,磁気抵抗の極大現象の測定も行った.また設置作業を進めてきたスプリット横型超伝導マグネットとマイクロ波測定装置を組み合わせた希釈冷凍機が完成したので、2層系量子ホール効果のマイクロ波に対する応答を調べてた。しかし電子スピン共鳴やジョセフソン・プラズマ共鳴に相当する信号は得られなかった.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Resistance Anomaly induced by Interlayer Phase Solitons in a Double-Layer Quantum Hall Effect2008

    • 著者名/発表者名
      A. Fukuda, D. Terasawa, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 100

      ページ: 016801(1-4)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Modulation of bilayer quantum Hall states by tilted-field-induced subband-Landau-level coupling2008

    • 著者名/発表者名
      N. Kumada, K. Iwata, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review B 77

      ページ: 155324(1-7)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Anisotropic Magnetotransport by the Psudospin Soliton inthe ν=1 Bilayer Quantum Hall System2008

    • 著者名/発表者名
      A. Fukuda, M. Morino, et al.
    • 雑誌名

      Physica E 40

      ページ: 1255-1257

    • 査読あり
  • [学会発表] 2層系量子ホール状態における磁気抵抗のマイクロ波応答2008

    • 著者名/発表者名
      小笠原良晃
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-20

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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