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2007 年度 実績報告書

トンネル走査顕微鏡によるビスマス系高温超伝導体の新規電荷秩序の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18340095
研究機関北海道大学

研究代表者

伊土 政幸  北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90111145)

研究分担者 桃野 直樹  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00261280)
キーワード高温超伝導 / Bi2212 / 走査トンネル顕微鏡 / 走査トンネル分光 / 電荷秩序
研究概要

本年度の研究では、Bi2212系高温超伝導体のSTM/STS測定から超伝導状態(T<Tc)と擬ギャップ状態(T>Tc)で非分散性のチェッカーボード型電荷秩序とフェルミ準位でのギャップ構造を詳しく調べた。その結果、非分散性の電荷秩序の周期はTcの上下で同じであり、ともにギャップ構造の空間的な不均一性と密接に関連していることから、電荷秩序はTcの上下で変化しないことを確認した。また、Bi2201系高温超伝導体め超伝導状態における非分散性のチェッカーボード型電荷秩序とギャップ構造の特徴を調べ、非分散性の電荷秩序がピン止めされて静的なものになると、空間平均した擬ギャップの大きさが著しく増加し、角度分解光電子分光(ARPES)実験のアンティノードにおける擬ギャップの大きさと一致することが分かった。また、STSスペクトルに、ARPES実験から報告されているアンティノードでの超伝導ギャップに対応する位置にショルダー状の異常が現れることから、非分散性の電荷秩序がピン止めされると超伝導ギャップと擬ギャップの大きさが著しく異なってくることが明らかとなった。また、超伝導ギャップは、擬ギャップと違って非分散性の電荷秩序がピン止めされても空間的に均一のままであり、大きさもほとんど変化しない。このことは、非分散性の電荷秩序のピン止めとアンティノード付近の擬ギャップの増大とが密接に関係していることを示す興味深い結果である。現在、不純物を添加して非分散性の電荷秩序を積極的にピン止めしたときの擬ギャップの振る舞いや、超伝導に与える影響を調べている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] STM/STS Study on nondispersive checkerboard electronic superstructure in Bi2212 and La-Bi22012008

    • 著者名/発表者名
      M. Ido
    • 雑誌名

      J. Phys. & Chem. of Solids「掲載决定」 (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 4a×4a electronic charge order enhanced in the inhomogeneous pseudogap state of Bi2Sr2CaCu2O8+・2007

    • 著者名/発表者名
      Y. H. Liu
    • 雑誌名

      Phys. Rev. B 75

      ページ: 2125071-2125074

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Magnetic-field-induced spin excitations and renomalized spin gap of the underdoped La0.1895Sr0.105CuO42007

    • 著者名/発表者名
      J. Chang
    • 雑誌名

      Phys. Rev. Lett. 98

      ページ: 77004-77007

    • 査読あり
  • [学会発表] STM/STSから見たLa-Bi2201及びBi2212のチェッカーボード変調と大きな擬ギャップ2008

    • 著者名/発表者名
      萩原将也
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-24

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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